許可や承認を無事に取得して、いざ空撮等で飛行しますとなった時にここは気をつけておいた方がいいということがいくつかあります。

国交省のホームページに書かれてある注意事項等をよく理解して飛行させることもちろんですが、ドローンの仕組み等に関わる部分の理解も非常に重要ですので、その点につき解説していこうかと思います。

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ドローンのセンサーの種類

ここで、話の主に前半部分の前提となる内容について触れていきます。

ドローンには様々なセンサーがのっかっています。

具体的には、①ジャイロセンサー②加速度センサー③地磁気センサーがあり、これらで ドローン自体が自分がどの向きにどの程度傾いているかっていうのを認識します。

ジャイロセンサーと加速度センサー

このうち、ジャイロセンサーと加速度センサーがあれば、例えば、機体が頭の方が何度で上に向いているとか左に何度傾いてますといったこと、 つまり、機体の傾きが全てわかります。

しかし、これらのみでは、どこを向いているか(機体の向き)はわかりません。

地磁気センサー

地磁気センサーとは

この機体の向きを認識させるセンサーこそが地磁気センサーです。

この地磁気センサーは、地球の地磁気を使って方角を知ることができるものですが、問題なことにこの地磁気は乱れが生じることが多いです。

一言で言えば、地磁気は磁石の力のようなものです。

地磁気の乱れる原因となる性質

何にもなければ、 南から北に磁気の線が通っているのが通常ですが、 例えば鉄を含むであろう鉄骨等に近づくと磁石の力のようにそちらに地磁気がすい付けられてしまいます。

その結果、地磁気が乱れてしまうわけです。

地磁気に影響を及ぼす電磁波

もう一つ前述の地磁気に影響を及ぼすものがあります。

それは電磁波というものですが、その文字通りに電流が流れると磁場っていうのが形成される波です。

それが地磁気に対して同様に影響を与えます。

これを踏まえると、電柱はもちろんですが、電圧が高いほど電流量も多くなるわけなので、特に、高圧電線付近に行くと磁場がかなり乱れてしまいます。

そして、地磁気が乱れてしまうので、センサーが機体の向きを認識できなくなってしまいます。

ドローン本体にすれば機体の向きはわかっているのですが、センサー自体が騙されてしまうので、機体の向きがおかしくなってしまうとというわけです。

ドローンの飛行前に確認しておくべきこと

前述の内容も踏まえながら、飛行前に確認すべきことをまとめていきます。

①鉄製の物、鉄骨構造の建物等の側の飛行を避ける

前述のように、磁石の力のように鉄骨等に近づくとそちらに地磁気がすい付けられて、地磁気が乱れてしまうのでセンサーが機体の向きを認識できなくなってしまいます。

事前に鉄製のものが飛行経路やその周辺ににないか確認しておきましょう。

②高圧電線の側の飛行を避ける

航空局の標準マニュアルにも、高圧電線の側の飛行は避けましょうとあります。

電磁波それも電圧が高いほど磁場が乱れますので、こちらも事前に飛行経路やその周辺ににないか確認しておきましょう。

 

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③コンパスキャリブレーションをしっかりやる

コンパスキャリブレーションとは

磁場は場所によって変わってくる場合があるので、おそらくなんでもない所だったら大丈夫であると思いますが、例えば、北海道で飛行させる場合と東京都で飛行させる場合では磁場がちょっと違ってきたりします。

普段は気にならない程度のものですが、自動操縦する時などは、土地ごとに機体の各種センサーがうまく働くよう調整する作業(コンパスキャリブレーション)をしないと機体の向きに微妙にズレてしまうことがあります。

もう少し具体的に言えば、コンパスキャリブレーションは、いわばその場所の地磁気を読み取らせることで、本体のGPSに正しい向きを認識させるということです。

これをやらないとドローンが飛行時に正しい向きを見失い、おかしな方向に飛行していってしまいます。

実施上の注意点

具体的なコンパスキャリブレーションの方法は割愛しますが、行う上での注意点がご紹介しておきます。

①周りに障害物のない場所で実施する
②周りに鉄製のもののある側で実施しない
③時計や携帯電話等を携帯して実施しない

コンパスキャリブレーションは、その場所の地磁気を読み取らせることで、本体のGPSに正しい向きを認識させなくてはならないわけですから、地磁気を読み取らせにくくなる場所や地磁気に影響がある場所や物の側で行わないようにしましょうということです。

①は、障害物あると地磁気を正確に読み取りにくくなりますし、②の鉄製のものですし、③の携帯電話などは電磁波を発するものなので地磁気に影響があります。

コンパスキャリブレーションを怠ると機体の向きがわからなくなる可能性があるので、事故につながりえます。

特に、飛行場所を移動したり、久しぶりに飛行したりする時には、①②③の点に注意しながら、コンパスキャリブレーションをしっかり実施しましょう。

また、事前に、磁場計 (磁場 とか電波計を測る装置)で測ってみて、全然何もないところと鉄骨とか橋の所だと全然データが違ってくるので、それを見てどこが飛行したら危ないのかと確認しながら、事前にしっかり飛行計画を立てるなども必要でしょう。

④機体の整備

機体の劣化具合を確認

飛行に際し許可承認が必要なドローンの飛行時には、飛行マニュアルを持って飛行させますが、飛行前点検・メンテナンスがものすごく大切です。

ネジが緩んでいたら締め直しておくとか単純なものも重要ですが、その他にもいろいろと確認しておいた方がいいものがあります。

まず、特に注意したいのが、機体のボディーの劣化です。

ドローンの機体はプラスチックのボディで、そうそう簡単に劣化しないですが、主に屋外で飛行させるので紫外線の影響が少なからずあります。

一般的に、紫外線でプラスチックが劣化しますので、屋外で飛行させるとプラスチックのボディーは紫外線で徐々に劣化しています。

身近なところで言えば、一般的にLED電球は紫外線は出していませんが、蛍光灯は紫外線がでているので、蛍光灯を使っている古い建物の蛍光灯のプラスチックカバーなんかは触ってみるとボロっと触った所が崩れることがたまにあります。

あれなんかも紫外線によるプラスチックの劣化です。

ドローンにおいても、紫外線による劣化でボディに気が付いたらヒビが入ってたりとかもありえます。

もっと怖いのが、こうした紫外線によるプラスチックの劣化の影響で、ネジ穴がどんどん破れていて気が付いた時にはモーターがぽろっと取れてしまうことも考えられます。

これがもし飛行中でモーターが外れてしまったら、ものすごく危ないですし、人や物に対しても想定される状況によっては損害も小さくは無いでしょう。

こうしたものも想定・理解した上で、飛行前点検・メンテナンスをしっかり行っていく必要があります。

ドローンを飛行させるということは、人や物に対してすごい危険を伴うことです。

責任を持って、機体の飛行前点検・メンテナンスをしておきしょう。

⑤バッテリーの管理

ドローンのバッテリーは爆弾のようなもの

今のドローンのタイプだと、バッテリーは大体リチウムポリマーバッテリーになります。(LIPOバッテリー(リポバッテリー) などと言います)

結論から言えば、このバッテリーはすごくエネルギー効率が高い(出力が高い)のですが、その分いわば爆弾のようであり非常に危険なものです。

リチウムポリマーバッテリーは、パソコンでも携帯でも使っているので何で危ないのかと思われる方もいるかと思います。

この点、パソコンと携帯電話は電流を流しすぎないような安全保護回路が入っているので、その点につき、安全性が最低限担保されていると言えます。

一方、ドローンやラジコンっていうのはそのような安全保護回路は普通はありません。

なぜならば、飛行するのに出力がいるので、飛行のため一気に電流を流さないといけないからです。

パソコン・携帯電話等で長く流せばいいんだけれども一気に流さないとドローンは飛びません。

例えば、ドローンレースのような場合はもちろん、空撮でも重たいカメラを積んで長時間ということになると、積んだ時点でモーターをたくさん回さないといけないので多くの電流流さないといけません。

要するに、安全装置つけると一気に電流流せなくなるから飛行できなくなるとというわけです。付け方にもよるのでないことはないんですが、基本的にはつけられません。

以上のような点から、ドローンの爆弾のような危険物であるという意識を持っておくべきでしょう。

バッテリーは消耗品と考えよう

バッテリー自体は、およそ1年ぐらいですが、使ってるとちょっとずつへたってきます。その結果、なんと爆発して炎上してしまう可能性があります。

その兆候ですが、充電してもすぐにまた充電しなくてはならなくなったり、いつまでたっても充電が終わらないとかそういうのが出てきます。

外観上も、特にレース用のドローンなどのバッテリーがへたってきたら、その横側の部分が膨らんできたりします。

このようなバッテリーというのは、充電したら爆発する可能性があり、危険なのですぐに交換する必要があります。

そういうの含めておかしいと思ったら、すぐに交換しましょう。

ドローンのバッテリーは結構価格としては高いもので、なかなか交換に躊躇しそうなものではありますが、消耗品として考えて処理していただきたいところであります。

 

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バッテリーの廃棄方法

ドローンのバッテリーを普通にごみとして同じように捨てるというのは、やめたほうがいいです。

バッテリーには、一応リサイクルマークがついています。

リサイクルの回収の仕方は各自治体によって違うのですがそれに従ってやるとか、購入した店に行って処分してもらうとか色々やり方があります。

自分で捨てるんであれば、3割ぐらいから4割ぐらいまで電池使った状態で濃度3%ほどの塩水につけておきましょう。

そうすることで、中に入っている電池が徐々に放電していきますので、もう充電はできなくなりますが、安全に放電できますのでその状態でリサイクル持っていけば 危険性はなくなります。

水に浸したバッテリーは自治体所定のリサイクルの回収の仕方で後は処理してもらうことになります。不燃ごみという形で処理する形になるでしょう。

ドローンを単なるおもちゃのように扱っていると、バッテリーに関しても単純に考えて廃棄することを考えてしまわれるかもしれませんが、廃棄方法も十分に気をつけないと危ないものと認識しましょう。

管理・保存方法も気を使う

前述したとおり、ドローンのバッテリーはものすごく危険を伴うものなので、その管理はきっちりしましょう。

具体的には、バッテリーチェッカーを購入し、電圧、CCA値、内部抵抗値、充電容量等から劣化状態を管理しておく、また、複数ある場合は、バッテリーに番号等をつけてノートで管理して、劣化状態から換え時を判断し交換するといったような管理方法もおすすめです。

また、保存方法ですが、熱や衝撃に強い耐燃性の入れ物にいれておくことをおすすめします。

小さいバッテリーでも燃えやすく、入れ物自体が熱や衝撃にも弱ければ火事になってしまいます。

中で燃えても大丈夫である、衝撃に強く外に出てこないような入れ物に入れて保存することを心がけましょう。

ドローンのバッテリーは爆発を伴う危険なものなので、管理には十分お気を付けください。

⑥GPSは入らない場合の意味を理解し対策をしておく

最近のドローン

現在、販売している空撮ドローン等は色々とセンサーがついています。

センサーで言えば、センサーが入っていて放っておいても水平を保つ機能(姿勢制御)がありますし、よくわからなくなってプロポから手を離すとそこにいなさいという意味に解釈しその場で自動でホバリングする機体なんかもあります。

飛行の安全性を向上させる技術を発展してきているというわけです。

同様に、機体にはGPSもついています。それによって位置制御うも行われ、より安全かつ簡単な飛行が可能となっています。

GPSは入らない場合の意味と生じる状況

しかし、このGPSはあまり意識されていないかと思いますが、意外と狂いが生じます。

そもそもGPSは、衛星から電波をもらいそれで測位を行いますが、気象条件とか山の斜面とか谷間などの場所によって乱れが生じやすいのです。

ここでGPS が乱れ、たまたま入らなくなるとどうなるのでしょうか?

実は、GPSは自分が何個の衛星から電波もらっているかがわかりますし、もらってる電波の強さもわかっています。

例えば、6個の衛生から電波もらってとどまっていたのが、その衛星が3個程になると、GPS は誤差があって駄目なんだというのが認識します。

その結果、GPS は電波もらっている衛星をもう信用しないようになり、風等に流れ位置を修正していた制御(位置制御)を諦めます。

それでも、センサーによって、水平を保つ機能(姿勢制御)があるので、水平に保とうとはしますが、風が吹いてくるとその風に乗って飛んでいってしまうことになります。

GPSは入らなくなった時にどうするか

前述のように、GPSが入っていれば、風が吹いててもなんか揺れてるなぐらいにしか思いませんが、入らなくなったら水平を保ちつつも風に流されてしまいます。

その時に理屈を理解されてない方は暴走したと勘違いしてしまうと思います。

この場合、GPSなしでの操縦が必要になり、もし、GPS の下でしか操縦してない人だと安全な飛行は困難になるといえるでしょう。

したがって、自分の目で見て、風に流れた時にこれはGPS入らなくなったなと想定できることなどを前提とし、GPSは入らなくなった状態でも安全な飛行ができる操縦技術を練習で身につける必要だということになります。

実は、これはドローン等が出る前のラジコン飛行機なんかでは普通のことでした。

ラジコン飛行機はセンサー等がないので、常に目で見て風が来てるな流されてるなと思ったら自己判断の上操作し飛行を中止していました。

操作技術に関しては、GPSやセンサーがあるからという意識でなく、以前のラジコン飛行機の時と同じような操縦技術を練習で身につける意識が重要であるということです。

⑦コンピューターを介して人が飛ばしているという意識を確認

基本的にラジコンでなどもそうですが、ドローンは内臓のコンピューターが飛ばしているといえます。

そのコンピューターとはフライトコントローラー(FC)で、本来は難しい操作にかかる調整を、その働きで操縦者の入力にしたがってできています。

このフライトコントローラーは、人間でいう平衡感覚司る三半規管、パソコンで言えばOSに当たる部分です。その内容からも超重要部分とおわかりいただけるかと思います。

昔のラジコンヘリコプターなんかはセンサーも全く無く、 操縦者自らが機体の傾きをしっかり見て水平を保つという調整をしていました。

今のドローンは、こうした調整はフライトコントローラーがしますので、フライトコントローラーの手助けで多くの部分でうまく安全飛行ができているのです。

前述の内容と同様ですが、今のフライトコントローラーがしている手助けがないまっさらに近い状態で、操縦者自らが飛行させることを意識して操作技術を練習で身につけることが必要です。

まとめ

ドローンという飛行するものは、飛行しているので地上の人や物に対してものすごく危険であるということです。

簡単なドローンの制御の仕組みを理解し、GPS・センサー・フライトコントローラーの制御が効かないという最悪状態でも安全が保てる飛行技術を身につけるということを考え練習してましょう。

ドローンはあくまでも機械なので、条件によって正常に動作しないことがあります。

そのような場合に、慌てて事故などをおこさないように、ご自身で練習を重ねていくしかありません。もちろん、ご自身で状況を理解・判断し、無理をしないことも重要です。

バッテリーの話もそうですが、空撮する前に自分を所有する機械であるドローンとそのバッテリーについてはよく理解をしておくということが大切です。

きちんと理解ができていれば、事前の飛行計画をより安全かつ適切なものにするという点についてもいきてきます。

 

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